『KAGEROU』 Day:2010.12.16 08:39 Cat:ニュース 第5回ポプラ社小説大賞を受賞した齋藤智浩のデビュー長編『KAGEROU』が12月15日午前0時から販売開始。青山ブックセンター六本木店はじめ、終夜営業の書店にはワイドショーの撮影クルーが詰めかけ、村上春樹『1Q84 BOOK3』発売時以来の大騒ぎとなった。 人気俳優・水嶋ヒロの処女長編とあって、同書は発売前から話題が沸騰。刷り部数は、すでに4刷43万部に達している。歩安入帳の責任販売制(返品時には掛け率が低くなるため、売れ残った場合には一定のリスクがある)で各書店からの予約注文を積み上げた結果らしいが、新人の小説デビュー作としては記録的な数字だ。 小説の中身は、予想に反して、40歳の中年ダメ男が主人公の脱力系ドタバタコメディ。帯裏の内容紹介、" 廃墟と化したデパートの屋上遊園地のフェンス。/「かげろう」のような己の人生を閉じようとする、絶望を抱えた男。/そこに突如現れた不気味に冷笑する黒服の男。命の十字路で二人は、ある契約を交わす/(中略)深い苦悩を抱え、主人公は終末の場所へと向かう。/そこで彼は一つの儚き「命」と出逢い、かつて抱いたことのない愛することの切なさを知る。" というのは確かにそのとおりだが、この要約から想像される作風とはほとんど対極にある。 物語のパターンとしては、よくある"悪魔との契約"もの。ただし、ファンタジーでもホラーでもSFでもなく、一応は現実に立脚している点がユニークといえばユニーク。ふつうの小説ではありえないキャラ、ありえない組織、ありえない設定が続出するものの、全体にコミカルなタッチなのでさほど気にならない。主人公の愛すべきダメっぷりと文章の素人っぽさが相俟って、それなりに好感のもてる小説に仕上がっている(関係ないけど、本文の最後、232ページの誤植にいちいちシールを貼って訂正してあるのもご愛敬)。 38字×14行というゆったりした文字組のおかげもあってか、あっという間に最後まで読めるのも長所のひとつ。小説好きの読者には物足りないだろうが、ふだん本を読まない人には歓迎されそうだ。主人公が連発するオヤジギャグ(一応、それなりの必然性はある)を水嶋ヒロファンがどう受けとめるかに注目したい。 なお、同日発売の「SWITCH」2011年1月号は、水嶋ヒロのロングインタビューを掲載。『KAGEROU』についても熱く語られているようだ。ほほー意外な展開だなー。俳優・水嶋ヒロさんの処女作!テーマは命。KAGEROU(著) 齋藤智裕( 水嶋ヒロ )価格:1,470円(税込、送料別) 関連記事 テレビを見ていてむかつく瞬間 「業界全体がAKB商法になる!?」ダウンロード不振で音楽業界はシニア産業へ 韓国軍、延坪島で射撃訓練=北朝鮮の動きなし 海老蔵事件 元暴走族リーダーを診た医者の妻は女優霊能者 海老蔵ヅラなら殴られなかった!?魚ちゃん オリコンランキング 年功序列 『KAGEROU』 動物将棋 宇多田ヒカルのアーティスト活動休止前最後のコンサート「WILD LIFE」 Googleが年間検索ランキングを発表 玉三郎が海老蔵にチクリ「お目にかかって、いろいろ話したい」 糖尿病の新治療法 ロシアでは不倫をしていない人間は「ダメ人間」扱いされるらしい 斎藤佑樹:入団会見その3止「田中投手はプロの大先輩、早く追いつけるよう頑張る」 URL Comment(0)Trackback(0)Edit