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フル稼働でも火葬場は限界 仮埋葬の準備進む 犠牲者の遺体に苦悩の自治体

東北各県の被災地では火葬場の処理能力を大きく上回る数の遺体をどう弔うかが大きな問題になっている。尊厳を守りながら、どう最後の別れをするか-。現地では遺族の了解を取った上で、いったん土葬して、後に火葬する「仮埋葬」に向けた手続きも進んでいる。21日は春の彼岸。十分な供養が難しい事態に、遺族だけでなく、行政の担当者など多くの関係者が苦悩している。

 ■フル稼働でも限界に

 「ベストではないが、最大限できる形で土葬という選択肢もある。ただ、ご遺族の気持ち次第ですが…」

 宮城県の担当者は苦肉の策を迫られている状況を説明する。

 県内の安置所に収容された遺体は19日夜の時点で5000体近く。県警の竹内直人本部長は、がれきの撤去が進むほか、海上で発見される遺体も考慮すると、今後、1日あたりの収容数が1千体になる可能性も口にしている。

 宮城県内では27カ所の火葬場のうち、24カ所が稼働しているが、ガスや油の供給がストップするなどしており稼働率は50%程度。すでに限界を超えた状態になっている。

 仙台市生活環境部では「火葬場をフル稼働しているが、1日に20体が限界で、追いつかない」と話す。仙台市内のある斎場では「通常は1日にひとつの炉で火葬するのは2体までだが、稼働時間を約3時間延長して、3体まで対応している」と明かす。

 また、仙台市内のある葬祭業者は「火葬は約10日間、待たされている状況。遺体が痛まないようにするために、全国から棺やドライアイスが届いている。ただ、これからもっと遺体が増えていけばどう対応すればいいのか」と話す。

 宮城県では山形県などに依頼しているほか、埼玉県の火葬場の空き情報まで市町村に流している。岩手県も状況は同様だ。

 ■進む「仮埋葬」準備

 こうした切迫した状況の中で、宮城県では16日、各市町村に対して、土葬する場所や必要な手続きを定めたマニュアルも配布した。マニュアルでは土葬の場所に関し、飲料水に影響を及ぼさない場所▽墓地近隣で住民感情に配慮した場所-などと規定した。

 すでに厚生労働省は14日の段階で、墓地埋葬法に基づく許可がない場合でも、弾力的に埋葬を認める方針を決め、被災地の自治体などに通知している。平成7年の阪神大震災でも取られた措置だ。

 宮城県によると、仙台市や気仙沼市、東松島市、石巻市などで、土葬に向けた場所探しや場所の整備が始まっている。

 身元が分かっている遺体については、土葬した上で、1、2年後に落ち着いた後、改めて火葬して墓所に納骨するという。

 宮城県の担当者は「家が流されて、火葬ができても骨壺を持って帰れない人も多い」と、被災者の置かれた厳しい状況を語った。

 現在の日本の火葬率はほぼ100%近く。そのため土葬に抵抗感を持つ遺族も多い。しかし、国学院大学大学院の新谷尚紀教授(民俗学)は、「日本で火葬が急速に普及したのは戦後の高度成長期以降。それまでは今回の被災地を含めて、土葬が一般的だった。被災地でもお年寄りの人は、土葬を見たりした体験があるはず。土葬だからといって、供養が粗末になるということにはまったくならない」と、話している。(引用元 産経新聞)

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