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あかつき:「退避姿勢」で航行 金星軌道入り確認できず

あかつき:「退避姿勢」で航行 金星軌道入り確認できず

 金星に最接近した後、通信が一時途絶するなどトラブルに見舞われた探査機「あかつき」について宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日、機体が非常事態の際にとる「退避姿勢」に入っていることを明らかにした。あかつきは太陽電池パネルを太陽に向けて電力の確保を最優先し、必要最小限の機能だけを保持している。JAXAは復旧に全力を挙げている。金星を周回する軌道に入ったかどうかは分かっていない。

 あかつきは同日午前、軌道投入のためのエンジン逆噴射を実施した。逆噴射開始を確認したものの、予定時間を大幅に超えた通信途絶が発生した。

 あかつきは非常時用のアンテナを使って地球との通信を維持している。通信も不安定で、現在のあかつきの位置や速度を割り出すデータは十分に得られていない。

 退避姿勢は、探査機に何らかの異常があった場合、安全性を保つ「生命維持状態」ともいえる。姿勢を安定させるため、約10分間に1回の速さでゆっくりと回転している。JAXAは同日午後5時から、あかつきのアンテナが地球を向いた状態で回転を止め、通信を確保する試みを続けている。

 同日、断続的に会見したJAXAの阪本成一教授は「姿勢制御できずに放電する危機からは免れており、まだ望みはある」と説明している。

 探査機「はやぶさ」も、05年に小惑星イトカワへ着陸した際のトラブルで、機体を退避姿勢に切り替え、後に復旧した例がある。



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