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大相撲八百長問題の実態を元関取が激白

 国技大相撲の屋台骨を揺るがすほどの大問題となっている「八百長」。この疑惑は現在調査が行われている最中だが、「YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)」は今回、独自にその周辺を探ることにした。その中で、元関取に現場での八百長の実態を聞くことができた。

■八百長を訴えた親方も消された?

 携帯電話のメールから発覚した大相撲の「八百長疑惑」。関与した力士は14人とされ、特別調査委員会(座長=伊藤滋・早大特命教授)による調査で、3人が八百長への関与を認めた。それは、十両の千代白鵬関(27)、元幕内春日錦の竹縄親方(35)、三段目恵那司(31)の3人だ。

 さらに相撲には相手が必要となるため、他にも関係している人物がいる可能性も浮上している。それは、これからの調査結果を待たなければならない。

ただ、八百長問題の闇は深く、過去には週刊誌で訴えた、元大鳴戸親方とタニマチ橋本成一郎氏が、同じ病院で同じ日に亡くなったり、また最近でも報道を巡って訴訟沙汰にもなったほど。

 解明は難しく、取材を進めたが、口を閉ざす関係者も多く難航した。だが、八百長問題に憤慨する関係者から、タニマチ関係、担当記者ら周辺の関係者、さらには元関取(十両以上を指す)からも貴重な証言を得ることができた。

■千代白鵬、元春日錦も実力があるのに八百長?

 「まさか、あの2人がやっているとは。そんなことをしなくても普通に相撲を取れば勝てる実力があるはずなのに…」

 千代白鵬、元春日錦の竹縄親方が八百長に関与していたことを聞き、元関取はそう驚きの声をあげた。「関取」とは十両以上の番付を指し、一流の力士として世間からも認められる。2人の境遇が、良くわかるのではないだろうか。まずは、メールや、「中盆(なかぼん)」という仲介者を使う手口について聞いてみた。

 「いくら力士同士でも、面と向かって、星の貸し借りを言い出すことはなかなか難しいと思います。しかも、相手が先輩だったらなおさらです。それに、ピリピリした支度部屋では、そんな話ができる雰囲気ではありませんしね。だから、中盆がいたり、メールを使ったりするんでしょうね。メールなら2人だけしかわかりませんし」

 十両になれば、相撲協会から毎月給与103万円が支給されるようになるが、幕下に落ちると支給はなくなる。この雲泥の差が八百長を生んだ原因の一つともされる。千代白鵬、元春日錦は十両が長かった。この元関取も当然ながら、十両や幕下も経験しているが、八百長は持ちかけられたことはあるのか。

 元関取は「(話を)もちかけられたことはない」とキッパリと言い切る。では、見たことはあるかどうかについても「見たことない」とした。

 疑わしい行為としては「部屋が違うのに、やたらと仲がいいというのは少し疑った方がいいかもしれない」(関係者)という声もある。

 では、次に「する人」「しない人」の違いとは何かを聞いてみた。

■友達は作らない

 「僕の部屋は、親方から直接注意されたことはありませんけど、そういう(八百長をするという)雰囲気ではなかったです。先輩の関取たちもしていませんでした」

 部屋は50あり、その中にも色々なタイプの力士がいる。また各々が置かれている境遇も違う。番付が上の力士や、年齢が上の力士から頼まれれば、断りきれるのだろうか。

 「だから僕は、友達を作りませんでした」と元関取。みなさんは、この言葉の意味がわかるだろうか。つまり、人から頼まれることもなければ、人に頼むこともできない孤立無援の状態にあるということ。当然、八百長はできない。

 ある古参記者にも聞くと「ある横綱が現役時代に『俺は、友達は作らねぇ』と言っていた。その意味がわかるか? つまり、やらないってことだよ」との答えが返ってきた。

 また、若貴世代を中心とした二子山部屋勢は、激しいガチンコ相撲で一世を風靡した。「貴乃花親方(元横綱・貴乃花)は、だからこそ、みんなから一目置かれている」と前出の記者。今回、取材に協力してくれた別の元力士は「僕は若貴世代だから、(八百長は)絶対にやりませんでしたよ」と答えた。

 ガチンコ相撲は厳しい不文律だったようだ。

■頑張った分だけ報われるのが相撲

 必死の思いで稽古をして、土俵に上がる。負ける時もあれば、ケガをする時もある。星の貸し借りや、売買をすれば楽になる、と考える時はないのだろうか? 率直にぶつけてみた。

 「そんなことは一度も考えたことはないし、今でも後悔はしていない」と短く力を込めた。

 そんな苦しい思いをしてまで、なぜ相撲をするのか。「八百長」に手を染めてしまえば楽なことは言うまでもない。だが、別の元力士は「相撲は平等だから。頑張った分だけ番付けを上げることもできる。それがチームスポーツとは違うところですから」と語った。

 野球やサッカーなどのチームスポーツは、チーム戦術に合う選手が選ばれる。必ずしも実力だけではないチーム事情が反映してしまうものだ。相撲は強い者、つまり勝った者が上に行く。シビアだがこれほどシンプルな世界もない。

 元関取は「安芸乃島関(現在の高田川親方)のように自分のプライドを持って、すべてを土俵でぶつけるという力士がいるから、お客さんも見てくれるんです。そして番付を上げていくストーリーっていうのが、日本のスポーツの美学じゃないですか。今の力士からは、あまりそういう雰囲気は感じません。相撲の人気がないのも分かる気がします」と現状を嘆く。

 相撲にジャパニーズドリームを求めるのは、もはや遠い日の昔話なのだろうか?
この問題については、厳正で公正な調査を期待したい。

 貴乃花親方、あの若さで、あの貫禄・・・自分は、まっとうな相撲道を歩んできたという自信のうらづけがあるから、なんだろうね。あの人はすごい!

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