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モノマネを軽く凌駕する、菅野美穂のナチュラルな"らしさ"

今日ツッコませていただくのは、映画『ジーン・ワルツ』の番宣で数々のバラエティー番組に登場していた菅野美穂。

 2月3日放送の『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の「新・食わず嫌い王決定戦」では、戦場カメラマン・渡部陽一と対決したが、このときを待ち望んでいた人は多かったのではないだろうか。というのも、最近、菅野美穂の喋りをテレビで見るたび、「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」に出ていた「梅小鉢」の高田紗千子にしか見えなくなっているという人が多いからである。喋るたびに「あっ○○ですね」「あっ△で」と「あっ」を頭につけて言うクセや、相手の質問と食い違う答え、かみ合わない会話、突然のけぞって「アハハハハ」と高笑いするエキセントリックさなどは、どれもこれも秀逸だ。そんな「菅野=梅小鉢・高田」がすっかり浸透した中での、満を持してのご本人登場。だが、「ソックリ」でありつつ、やっぱり本人はすごかった。

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 渡部陽一が戦場取材でのエピソードや、一番恐ろしかった体験などをゆっくり語る間、誰もが固唾をのんで聞き入っていたが、話が終わったときの菅野美穂は一言。

「こんなところにホクロがあったんですね」

 神妙な面持ちで話を聞いているのかと思えば、ずっとそんなことを考えていたとは......。これでふと思い出したのは、次長課長・河本準一が出演している深夜番組『河本準一のイラッとくる韓国語講座』(テレビ東京)。「イラッとくるフレーズの韓国語は通用するのか」というテーマで、熱々の鍋を持ってきたお店の人に「おでこにのせていいですか?」と聞いて、「死ぬよ!」とイラつかせてみたりするのだが、そんな「イラッとくるフレーズ」の1つにあったのが、自分の運勢を占ってくれる占い師に対して唐突に言う、このセリフ。

「こんなところにホクロがあったんですね」

 偶然にも、渡部陽一の話を聞き終わったときの菅野美穂は、ナチュラルに同じ言葉を放っていた。もちろん「イラッとくるフレーズ」のつもりではなく、テレビの作家が書いた言葉でもない。ちなみに、放送時期が前後してしまったが、2月7日放送の『しゃべくり007』(日本テレビ系)に登場した菅野美穂は、「いま、いちばん会いたいのは渡部陽一さん」と熱弁をふるい、モノマネをしたり、「渡部陽一と道でばったり出会う」コントも披露していた。

 いちばん会いたかった人に会えた念願の『みなさんのおかげでした』で、一言一言聞くたびに爆笑した挙句、一番の感想が「こんなところにホクロがあったんですね」。

 モノマネは普通、デフォルメすることで面白くなるものであって、ときには「美川憲一→コロッケ」のように、ご本人のほうがデフォルメされたモノマネに近づいていくケースもある。なのに、あれほど面白い梅小鉢のモノマネを凌駕してしまう菅野美穂本人の強さ。KYさもまっすぐさも、サービス精神旺盛なところも、目が離せません。

 「はねるのとびら」に出ていた菅野さんの、ぼけっぷりもおもしろかったなー。
バラエティーなれしてるんだけど、すれてないのさ。
 菅野美穂、面白い!




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